ファンがファンを生む、CVR3.2倍を実現したAKOMEYA TOKYOのUGC戦略
“CVRは2倍以上! Afternoon Tea LIVINGのOMOの進め方”
顧客との距離を近づける
リアルな発信をECサイトで
商品数がとても多いブランドなので、ECでは入荷した商品をサイトにアップして見せていくことに業務が集約されていました。以前であれば店舗が営業していたので、店舗で実際に商品を見てからECで購入する場合も多く、その運用でも問題ありませんでした。しかしコロナ禍を経て、ECを見てそのまま商品を購入する方が増えてくる状態で、当時のサイトでは情報量は多いけれども、購入のサポートとなるコンテンツが不足していると感じていました。
そこでブランドにあった温かみや情緒性のあるコンテンツをつくっていきたいとなった際に、店舗スタッフの接客力やセンスを借りていこうという話に。スタッフのリアルで身近な発信が、ブランドに対する理解を深め、より身近に感じていただけるのではないかと考えました。あわせて店舗とECの購買体験のシームレス化によるOMOの強化や、EC上での顧客ブランド体験の快適化、デジタル人材の育成というところも狙いにしていました。
想定の倍の応募に担当者も驚き
スタッフ投稿を軌道に乗せた取り組み
スタッフ投稿を実施していくにあたり、一度にスタッフ全員ではじめていくことは教育面や時間的な部分でも難しかったので、スタッフに募集をかけて精鋭メンバーでスタートすることになりました。「スタッフアンバサダー」という名称をつけて、店舗でお客様に接客するようにデジタルでも接客しませんか?といった形で募集をしました。30名程の応募を想定していたのですが、実際には倍の60名程の募集が集まり驚きました。コロナ禍で直接の接客がしたくてもしづらい状況で、どこかで発信をしたいスタッフに対してその場を提供できたというところなのかなと思いました。
最初の段階では基本的な撮影の技術的な部分などをレクチャーし、練習期間を設けて試運転的に写真をスタッフからあげてもらい、フィードバックしていきました。毎週のフィードバックで承認率は3割から9割以上までに上がっていきました。そこまでにかかった期間はほんの2~3ヶ月ほどでしたね。今ではEC側では絶対に撮れないような写真がスタッフからあがってきています。スタッフのモチベーションを維持するために、定期的に人気投稿のランキングなども配信しています。
スタッフ投稿設置ページのCVRは2倍以上
閲覧数も順調に増加
スタッフ投稿コンテンツがあるページのCVRは通常のページの2倍以上になっており、購入のきっかけや迷ったときの後押しになっていると感じています。スタッフのコンテンツがあることでサイトに温かみが出たのと、ユーザーに対して最初の接客の役割も担っているのかなと。サイトからどうぞ好きなものを選んでください、というところから、私のお気に入りのこの商品はどうですか?といった提案があることで、以前とは違ったアプローチがうまれています。
ECでスタッフ投稿を見てから店舗に来店されるお客様もいらして、OMOの推進につながっています。店舗でもスタッフ投稿をリアルな接客のなかで活用したり、投稿が掲載されるタイミングにあわせて販売強化や商品インプットなどもしたりしています。スタッフアンバサダーの投稿を参考にもっと商品知識をつけよう、という新人スタッフもおり、社内の啓蒙にもつながったのは意外な副産物でした。
また人気の投稿はSNSのコンテンツとしても活用しており、ストーリーズでは通常の2倍のインプレッションが安定して獲得できています。実際に使用しているところが分かる、というのがお客様から魅力的に捉えられているというのが数値からもよくわかりました。今後はスタッフアンバサダーを大切に育てながら、購入後のアフターフォローにも力を入れて、リピーターを増やす取り組みをしていきたいと思っています。
INTERVIEWEE
株式会社サザビーリーグ
デジタルマーケティング部 プランナー
東 麻子 氏 藤田 祥子 氏