“【購入単価20%以上向上】サロンスタッフと顧客を巻き込んだ「シーボン」のDX戦略”
サロン全店の営業休止をきっかけに
ECサイトのコンテンツを拡充
シーボンは、全国に展開するサロンを通して商品とアフターケアを提供することで、顧客のスキンケアニーズに応え、成長してきましたが、コロナ禍での実店舗の営業自粛要請を受け、サロン全店の営業を休止しなくてはいけない状況になりました。
そのため、ECサイトに注力を始めましたが、それまでのECサイトは、すでにシーボンの製品や仕組みをご存じの会員さまが利用することを想定していたため、コンテンツが少なく、初めて利用するお客さまや、サロンの代わりとなるサービスを期待するお客さまにとっては物足りない状況だったため、コンテンツの拡充が急務となりました。
コンテンツを作成するには時間やコスト、リソースが必要です。そこで、短期間にコンテンツを拡充するために活用したのが、当社の強みであるフェイシャリストです。オンライン接客で成果が上がれば、お客さまにとってもフェイシャリストにとっても良いことだと思い、どんな内容にすべきか、見られやすい内容とは、写真の撮り方や投稿にあたってのコンプライアンスを含めた勉強会を重ねて、ECサイトに「visumo snap」を導入し、スタッフ投稿をスタートさせました。
スタッフコンテンツの導入で
購入単価もセッション時間もアップ
投稿経由の売上高などはマーケティングツールで把握でき、投稿結果は10日に1回くらいのペースで参加しているスタッフに共有しています。コンテンツを投稿するフェイシャリストは、サロンで販売を行う営業社員でもあるので、数字に対する意識が高く、切磋琢磨しながら投稿数を増やしたり、内容を工夫したりしてくれています。その結果、スタッフコンテンツを閲覧したお客さまは、閲覧していないお客さまと比較して、購入単価が20%以上向上という成果を上げることができました。
また、閲覧したお客さまのセッション時間も、サイト全体と比べて約4倍長いという結果が出ています。投稿を丁寧にご覧になっていただいており、サイト回遊や滞在時間の向上に役立っています。
今後はさらにデジタルマーケティングの拡充やECサイト強化のために、コンテンツを投稿するフェイシャリストを全国のサロンに広げていきたいと考えています。動画コンテンツについても、現在はサロンでお見せしている動画を活用したり、インスタライブの動画を流用したりしていますが、まだまだ本数が少ないので、これからさらに注力していくつもりです。
愛用者の“リアルな声”を
ECサイトで紹介
スタッフコンテンツに加えて、インスタグラムなどでは会員さまのフォロワーがたくさんいますので、そのリアルな声をECサイトに活用するUGC施策にも取り組んでいます。アンバサダーやユーザーのインスタグラム投稿を「visumo social」を使ってECサイトでも紹介。実際に製品を愛用している会員さまにリアルな声を投稿いただくことで、ブランドの魅力を効果的に発信できると考えています。
今年1月から開始した公式アンバサダーは、さまざまな分野で活躍されている方に加わっていただき、現在は10人ほどの方が活動しています。公式アンバサダーの投稿は、掲載前にコンプライアンスのチェックを行っているため、投稿を修正することなくUGCとして、自社メディアでも活用できる点も魅力です。
現在のWeb市場ではECの新規獲得単価が高騰しており、コストが見合わない状況になっています。そのため、新規とともに既存顧客のCRMを強化し、LTV向上を図る施策により注力していきたいと思います。
INTERVIEWEE
株式会社 シーボン
マーケティング戦略課 マネージャー
稲葉 理子 氏
Web事業部 部長
青木 里織 氏
取材: 日本ネット経済新聞