“【UGCが0から1000件に!】かまぼこ業界全体を引き上げる「鈴廣かまぼこ」のUGC戦略”
ただのオンラインショップではなく
コンセプトを持ったECサイトに
鈴廣かまぼこでは「老舗にあって、老舗にあらず」を社是に、お客さまのニーズに合わせた接客やサービスを推進しており、昨今ではDXの取り組みも進めています。ECに取り組み始めたのも早く、1997年くらいから取り組んでいましたが、軽減税率など法改正への対応により、カートシステム変更が必要になったことをきっかけに、2019年にリニューアルすることになりました。
その際に考えたのが、単にカートシステムを変えるだけのリプレイスではなく、コンセプトを持ったECサイトに刷新し、攻めの姿勢を持たせたいということ。そこで、ECサイトをただの「鈴廣かまぼこオンラインショップ」ではなく「かまぼこのある暮らし 鈴廣オンラインショップ」に改め、「かまぼこのある暮らし」を薦めるオンラインショップというコンセプトにしました。
もともとECサイトの中にブログのようなコンテンツはありましたが、「かまぼこのある暮らし」を広めていくために、ビジュアルで訴求できるインスタグラムの活用を本格化。「#かまぼこのある暮らし」というハッシュタグを作り、お客さまの声を集める取り組みを始めました。
日常の食卓にかまぼこを
並べてほしいという思い
それまでもインスタグラムに「#鈴廣」で投稿してくださるお客さまはいましたが、投稿内容の多くは購入した商品についてのものだったり、お正月におせち料理としてご活用いただいているもので、かまぼこをおせち料理以外でどのように食卓に並べていただいているのか分かりませんでした。
そこで、「#かまぼこのある暮らし」というハッシュタグの付いた投稿を当社から発信するとともに、お客さまの発信も促すことで、日常の食卓にかまぼこが並ぶシーンを伝え、お客さまのかまぼこのある食卓を知ることができるようにしました。また、「visumo」を導入し、それらのコンテンツをECサイトなどに掲載することもできるようにしました。
当社から「かまぼこのある暮らし」のイメージを伝えるような投稿を上げていくことで、お客さまからの投稿も増えていき、2023年には「#かまぼこのある暮らし」が付いた投稿は1,000件を突破。他社の商品を紹介しているケースもありますが、当社としてはそこに制限は設けていません。かまぼこ業界全体を引き上げるために、さまざまなメーカーさんのかまぼこを召し上がっていただき、最終的に「やっぱり鈴廣のかまぼこはおいしいよね」と思っていただければよいと考えています。
ECサイトへのUGC掲載で
滞在時間がアップ
「visumo」を活用することで、当社の投稿だけではなく、お客さまの投稿もECサイトなどに活用することができるため、ECサイトの滞在時間は伸びていると思います。また、「visumo」は複数のキャンペーンを立ち上げても料金が変わらず、いろいろな訴求を一元管理できることも、導入を決めた理由のひとつです。
当社では「鈴廣かまぼこ」だけではなく、「箱根ビール」や複合施設「かまぼこの里」など複数のブランドやサービスを展開しています。費用負担が大きくなってしまうと、続けられない可能性があるため、複数のキャンペーンを立ち上げても料金が変わらない「visumo」を選んでよかったです。
今後は動画の活用に力を入れていきたいと考えており、まずはレシピに合わせて動画を投稿することを計画しています。レシピは画像で伝えようとするとページをだいぶ縦スクロールしていかないといけなくなり、見にくいので、動画で見せられたらいいと思っています。ほかにも、動画で食べ方やアレンジを伝えたり、かまぼこを食べるシーンを見せたり、「晩酌の時」や「ご飯に合う」などいろいろなシーンに合わせて動画を作成して出すということもやりたいですね。
INTERVIEWEE
株式会社鈴廣蒲鉾本店
企画開発部 兼 メディア営業部 部長
松井 孝成 氏
取材: 日本ネット経済新聞